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元ベンチャー企業CIOにして、自称LOHASのカタリスト。日々のロハスな出来事をエッセイにしてみるつもりですが、全然関係ないことも一杯書いてるような気がする。


by lohasway
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NHKスペシャル「立花隆 思索ドキュメント がん 生と死の謎に挑む」を見て

今夜のNHKスペシャルは、私が10代の頃から変わらず尊敬し続けるジャーナリスト、立花隆氏の2年間に渡る渾身の取材に基づく“がん”研究の最前線のドキュメント。立花氏自身が“がん”になったことをきっかけとする取材だけあって、非常に面白く、かつ考えさせられる内容だった。

“がん”の研究が始まってから40年に渡り、世界規模でトップレベルの科学者や医者、そして数十兆円の予算がつぎ込まれてきたのに、なぜ“がん”は未だに治せないのか。

特に面白かったのは、IPS細胞の生みの親、京大の山中先生による以下のような仮説。

「人類は、もともとイモリのような自己再生能力を持っていた。しかし、その再生能力というのは自らの命を奪うガン細胞と紙一重。人類はその進化の過程で、十数年生きて子孫を残すというライフサイクルを選択をした際に、再生能力を封印した、すなわち“がん”になる可能性も封印したのではないか。」

調べれば調べるほど、がん細胞というのは人間の根幹を形成する幹細胞に酷似しており、正常細胞と切り離して考える、それだけを攻撃して制圧することは不可能にちかいことがわかってきているらしい。

がんにかかったらどうするか。
死ぬまでどうちゃんと生きるか。

最後にはあらためてQOL(Quality of Life)を自分自身に問う、
非常に深い内容で見ごたえのある番組だった。

政治ジャーナリストとしては、かつて田中角栄首相を退陣に追い込んだり、小沢氏を追い詰めたりと、蛇のようなしつこさで名を馳せた立花氏が、今回の取材を開始した直後に親友の同じくジャーナリスト、筑紫哲也氏をがんで失ったことを語る際に思わず涙してしまったシーンでは、私自身ももらい泣きをしてしまった。

立花氏ももう70歳手前。
がんもわずらい、もしかしたらこのレベルの取材活動を私達がみることができるのは最後かもしれないと思うと、本当に残念でならない。

「知の巨人」とまで言われた氏を越えるような後進は育っているのだろうか。。。
by lohasway | 2009-11-24 00:26 | 時事トピック